Salesforceの滞留商談を見つける方法。活動が登録されない原因と、会議で確認する2つの見直し

2026年10月2日

この記事の要点

  • 問題点:営業への指示が号令だけで、管理する仕組みがないと、活動が登録されず、商談の進捗が分からない
  • 解決策:何日活動がなければ滞留とみなすかを会社で決め、管理職層が営業会議で滞留商談を確認する
  • 効果:動いていない商談が見え、会議で次の一手を話せる。AIで滞留の定義は減るが、活動を登録する運用は残る

問題点:なぜ、商談の進捗が分からなくなるのか

営業会議で「この商談、今どうなっている?」と聞いても、担当者に聞かないと答えられない。Salesforceを導入していても、そうした状態になることがあります。

原因は、商談に活動が登録されていないことです。活動がなければ、商談が動いているのか、止まっているのかを、画面から判断できません。

活動が登録されない背景には、営業の管理の仕組みがあります。経営者が営業に顧客訪問を促すために、リストやダッシュボードを作る。ところが、営業が更新せず、経営者や管理職の方もチェックしないまま、放置されていることが少なくありません。Excelで管理しているときにも、よくあることです。

原因は、営業の方の意欲ではありません。指示が「もっと訪問しよう」という号令だけで終わり、具体的な件数目標まで落とし込まれていない。そして、管理職層が活動を確認する仕組みがない。多くの場合、そこに原因があります。

事例:営業の活動を見るために、リストを作った2社

機械商社では、活動に「訪問目的」、取引先に「優良顧客」の区分を追加し、担当者別・月別の訪問目的の件数と、最終活動日が古い優良顧客のリストをダッシュボードに作りました。

保険代理店では、「獲得予定月が当四半期で、2週間以上活動がない案件」のリストをダッシュボードに作りました。

2社とも、営業の活動を見えるようにする必要性がはっきりしていたため、個別に作りました。ただ、新しく独自のリストを作ってまで管理することは、おすすめしません。標準の仕組みで足りるかを、先に確かめます。

見直し1:滞留の基準を、会社として定義する

活動を登録してから何日経ったら、その商談を「滞留」とみなすか。そして、滞留とみなした商談を、ダッシュボードなどで会議の確認対象にするか。これを会社として決めます。

何日にするかは、会社によって違います。扱う商談の長さも、営業の動き方も違うからです。この記事では日数を例示しません。

Salesforceには、商談に活動(行動・ToDo)を残し、最終活動日を見られる標準の仕組みがあります。標準のレポートやダッシュボードで、確認する商談を絞り込めます。

決め方の手順の例です。

  1. 商談の標準の項目(最終活動日など)で、「どの商談を確認するか」の条件を書き出す
  2. 条件に当てはまる商談を、標準のレポートまたはダッシュボードで一覧にする
  3. その一覧を、営業会議で見る画面として決めておく

見直し2:管理職層が、営業会議で滞留商談を確認する

滞留とみなした商談を、営業会議で確認します。確認する役割は、管理職層です。

滞留商談が会議で取り上げられると、営業の方は、会議の前に活動を入力するようになります。活動が入力されると、データが更新されない状態を避けられるはずです。

号令だけで終わらせず、確認する仕組みを作ることが、ここでの狙いです。

会議での確認の進め方の例です。

  1. 会議の冒頭で、滞留商談の一覧を画面に出す
  2. 担当者が、その商談の状況と、次の一手を話す
  3. 次の一手を、商談の活動(ToDo)に登録する

AIに任せるとできること

ここまでが、従前のやり方です。滞留の基準を決め、ダッシュボードを作り、会議で確認する。

AI時代になって、私が驚いたことがあります。

ClaudeとSalesforceを接続しただけで、「パイプラインの分析して」と指示しました。きわめてシンプルな指示です。

滞留の基準は、何も教えていません。定義を書き込んだり、スキルに登録したりする作業も、していません。それでもClaudeは、パイプライン管理が何をするものかを知っているかのように、商談を抽出してくれました。

  • 活動が5日間登録されていない商談
  • 活動が登録されているのに、フェーズが変わっていない商談

定義していないのに、なぜ動いていない商談が分かるのか。私は驚きました。理由は、私にも分かりません。学習した営業の一般的な知識によるものかもしれませんが、あくまで推測です。

この体験は、以前の記事でも書きました。完了予定日の調整や、動きの止まった商談の抽出を、定義なしで試しています。よろしければ、あわせてお読みください。

▶ 【Claude+Salesforce】AIに「パイプラインを詰めさせて」みた
https://note.com/nueshima/n/nbff77c176ec8

この延長で考えると、これからは、滞留の定義を決めること自体が、いらなくなっていくのではないでしょうか。

ただし、前提があります。商談に、活動が登録されていることです。活動がなければ、AIにも分かるのは、「活動がない」ということだけです。また、AIが指摘した商談をどうするかは、人が判断します。AIの指摘が自社の実情に合っているかも、人が確かめることになります。

効果:見直したあと、何が変わるか

見直したあとは、お客様にとって、次のような変化が期待できます。

  • 動いていない商談が、日付で見えるようになります
  • 会議で「聞いて回る」時間が減り、次の一手を話す時間に使えます
  • 担当者が変わっても、商談の動きの履歴が残ります

私たちにとっても、動いていない商談を探すリストの個別開発や保守が減るはずです。その分の時間を、標準の使い方の提案や、稼働後のAI活用の支援に使えます。

まとめ

見直す2つのこと
●滞留の基準を、会社として定義する
●管理職層が、営業会議で滞留商談を確認する

AIで、滞留の定義は減っていきます。でも、営業の活動を登録する運用は残ります。まずは、担当している商談を1件開いてみてください。最後の活動は、いつでしょうか。


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