2026年10月27日
この記事の要点
- 問題点:1つの求人や物件に商談がいくつも並び、バラバラに進むため、進捗が把握できず、フォローが遅れる。1件ずつの作成・更新の手数が多く、入力も定着しない。
- 解決策:並んだ商談を一覧で見られるようにし、まとめて作成して、1つが決まったら残りをまとめて閉じる。
- 効果:同時に進む商談を見渡し、適切なタイミングでフォローできるはずです。AIで開発や更新の作業は減りますが、何をひとまとまりとし、いつ失注とするかを決めることは残ります。
1つの案件に、商談がいくつも並ぶ業務とは
Salesforceの商談は、1件ずつ作り、1件ずつ進める作りです。ところが、次のような業務では、1つの案件に商談がいくつも並び、1つが決まれば残りは終わります。
| 業種 | 何に商談が並ぶか | 1つが決まると |
|---|---|---|
| 人材紹介 | 1つの求人に、複数の求職者を紹介する(1人の求職者に複数の求人を紹介する場合も) | 入社が決まれば、残りの選考は終わる |
| 不動産 | 1つの物件に、複数の購入希望者 | 契約が決まれば、残りは終わる |
| 建設 | 1つの工事に手を挙げた複数のゼネコンへ見積を出す(自社が選ばれる側) | 受注先が決まれば、残りは失注 |
お客様の要望に合わせて人や相手を探し、何件も並行して進める業務は、いわば「調達」の業務です。SFAが想定している形を超えています。
よくある困りごと
人材紹介会社の例です。1つの求人に複数の求職者を紹介し、1人の求職者にも複数の求人を紹介するため、選考の商談がいくつも並びました。運用が始まってからも、次のような要望が続きました。
- 一覧を最新の更新順に並べたい
- フェーズのメモを一覧で見たい
- 1週間以上、活動がない求職者を一覧にしたい
営業が知りたいのは、いつも「並んだ商談が、今どうなっているか」です。進捗が見えないとフォローのタイミングを逃し、1件ずつの入力が負担になって定着もしません。営業の意識の問題ではなく、業務の形と商談の作りが合っていないことが原因です。
見直すこと1:並んだ商談の進捗を、一覧で見る
1つの求人(または1人の求職者)ごとに、並んでいる商談とフェーズを1つの画面で見られるようにします。一覧に出すとよい項目の例です。
- 求職者(または求人)の名前
- フェーズと、フェーズのメモ
- 最終更新日、最後の活動日
- 次の予定(次のステップ)
どの商談が止まっていて、どこにフォローを入れるべきかが、すぐ分かる状態を目指します。一覧に何を出すかは、お客様の業務に合わせて、お客様が決めます。
見直すこと2:まとめて作り、1つが決まったら、まとめて閉じる
同じ求人に紹介する商談はまとめて作成し、1つが決まったら残りをまとめて失注にします。流れの例です。
- 求人を選び、紹介する求職者を複数選ぶ
- 選んだ人数分の選考の商談を、まとめて作成する
- 選考が進んだら、一覧でフェーズを更新する
- 1人の入社が決まったら、同じ求人のほかの商談を一覧で確かめる
- 確かめた商談を、まとめて失注にする
「どの時点で残りを失注にするか」は、お客様が決める業務のルールです。
標準機能か、開発か
Salesforceの標準機能(リストビュー、関連リスト、データの一括取り込みなど)でも、形だけは近づけられます。ただし、作成と更新の手数が残ります。
注意点: この業務に標準機能をそのまま当てはめると、手入力がとても増えます。1つの案件に商談を10件作ることもあり、営業は案件を同時にいくつも進めるためです。そのまま進めると、ユーザーがテストする段階で「これは使えない」と言われるおそれが大きくなります。
事例の会社では、一覧画面、一括作成、受注時の一括失注を画面の開発で用意しました。手数を減らさないと、営業の入力が定着しないと判断したためです。ただし、並ぶ商談の数や同時に進める案件の数によって、判断は変わります。どの会社にも当てはまる正解ではありません。
AIとスキルでできること
以前は、一覧・一括作成・一括失注を画面の開発で作るしかありませんでした。いまは、プロンプトとスキルで同じことができ、開発しなくても済む場合があります。
指示の例です(プロンプトで可能です)。
- 「この求人の選考状況を一覧にして」
- 「この求人に、選んだ3人の選考の商談を作って」
- 「Aさんの入社が決まったので、同じ求人のほかの商談を失注にして」
まとめて失注にするときは、実行する前に対象の商談を一覧で確かめてから更新すると安心です。
さらに、フェーズごとに確認すべきことをClaudeのスキルに登録しておくと、商談のフェーズごとに次に何をすべきかを示してくれます。並んだ商談の一つひとつで、アクションの漏れがなくなります。
求人と求職者のマッチングをAIで試した記事は、こちらです。今回の内容は、マッチングのあと、並んだ商談を動かす部分にあたります。
SalesforceとGoogle DriveをAIで接続、自動マッチングを開発なしで実現。 https://note.com/nueshima/n/n896795debf86
ただし、AIは決めた基準に従います。何をひとまとまりとするか、いつ残りを失注にするか、フェーズごとに何をするかは、人が決めておく必要があります。
まとめ(効果・メリット)
- 並んだ商談の進捗を、一覧で見る
- まとめて作り、1つが決まったら、まとめて閉じる
同時に進む商談を見渡し、適切なタイミングでフォローを入れて、確実な受注につなげやすくなるはずです。手数が減れば、入力が定着するハードルも下がります。AIで作り込みは減りますが、何をひとまとまりとして見て、いつ閉じるかを決めることは残ります。
まずは、直近の求人(物件、工事)を1つ選び、並んでいる商談の数と進み具合を、すぐ一覧で答えられるか確かめてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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