2026年10月21日
この記事の要点
- 問題点:目的が「媒体別に問い合わせを集計すること」にとどまり、問い合わせから商談までつながる価値が見えていない。問い合わせと商談を扱う部署が分かれていると、つなぐところまで進まない
- 解決策:目的を「問い合わせから商談・受注までつなげて見る」に置き直し、リードを商談として営業に引き継ぐ流れと、誰が何を担うかの役割と責任を決める
- 効果:問い合わせの出どころごとに、商談・受注まで見えるはずです。AIで集計や一次対応は減っても、引き継ぎの基準と役割を決めることは残ります
Salesforceに問い合わせ(リード)を集めて、媒体別に数えている。でも、そのうち何件が商談になったのかは、答えられない。
この記事では、問い合わせを商談につなげて見るために、導入後に見直したいことを、2つにまとめます。
事例:媒体別の集計は、できていたのに
教育機関の場合
資料請求などの問い合わせのリストが、1万件を超えていました。以前は、基幹システムでは集計できず、どの媒体の効果が高いのかが分かりませんでした。
Salesforceを導入したあとは、問い合わせの出どころ(媒体)が、取引先、つまり入学する人まで引き継がれるようになり、媒体ごとの入学者数は集計できるようになりました。
一方で、商談の管理はしていませんでした。管理していたのは、取引先までです。問い合わせを扱う人と、顧客を扱う人は別の人でした。そのため、問い合わせから入学までの途中の対応は見えませんでした。
問題点:目的が「媒体別の集計」にとどまっている
媒体別に集計したい、という目的自体は間違いではありません。ただ、集計にとどまっていると、問い合わせから商談、受注までデータがつながったときの価値が、見えにくくなります。
多くの場合、問い合わせを管理する人と、商談を管理する人は別の部署にいます。つなぐには、業務のやり方を大きく変える必要があるように感じて、手前で止まってしまいます。
これは、どちらの部署の落ち度でもありません。つなぐ流れが、まだ決まっていないだけです。
見直すこと1:目的を「集計」から「つなげて見る」に置き直す
目的を、「媒体別に問い合わせを数える」から、「問い合わせから商談・受注までつなげて見る」に置き直します。
あわせて、何を成果とみなすのかを、問い合わせを扱う人と、商談を扱う人で、同じにしておきます。
| 成果の例 | 向いている場面 |
|---|---|
| 来校 | 来校の数が、その後の成果に直結する場合 |
| 入学・契約 | 最終的な申込みを成果とする場合 |
| 受注・金額 | 受注額まで含めて、媒体を比べたい場合 |
成果を何とするかは、お客様の業務そのものです。お客様が決めることです。
見直すこと2:リードを商談として営業に引き継ぐ流れと、役割・責任を決める
Salesforceには、問い合わせの段階のリードを、取引先、取引先責任者、商談に変換する標準の操作があります。コンバートと呼ばれます。リードをコンバートして、商談として営業に引き継ぐ流れを作ることが大切です。
そのときに問題になるのが、誰が、どこまでを担うのか、という点です。
| 誰が持つか | 起きやすいこと |
|---|---|
| 事務の方が持つ | リードの管理はできるが、顧客への対応までは難しいことがある |
| 営業がすべてのリードを持つ | すべてのリードを見るので、負荷が高くなる |
| 管理職が持つ | 実務に不慣れなまま対応すると、返信の質が揃わない懸念がある |
そこで、役割を分けます。たとえば、次のような分け方です。
| 担当 | 役割 |
|---|---|
| 事務の方 | 問い合わせの受付、出どころの記録、営業に引き継ぐ基準に合うかの判断 |
| 営業 | コンバートされた商談への対応 |
どの基準で引き継ぐのか、誰が何を担うのかは、お客様が決めることです。部署をまたぐ話は、社内だけでは決めにくいものです。第三者が間に入ると、進めやすくなることもあります。
新しく独自の仕組みを作って複雑にすることは、おすすめしません。標準の操作と、役割の取り決めで進められます。
AIで変わること、変わらないこと
変わること
| 項目 | これまで | AI時代 |
|---|---|---|
| 問い合わせの一次対応 | 事務の方が内容を読んで分類し、返信の文面を考える | 要約、分類、返信の下書きをClaudeが支えられるはずです(プロンプトで可能だと思います) |
| 引き継ぎの漏れの発見 | 目視で確認 | 基準があれば、AIが漏れを見つける役にもなれます |
返信の下書きを作る体験は、こちらの記事に書きました。
変わらないこと
- どの問い合わせを営業に引き継ぐのかの基準を決めること
- 誰が最終的に確認するのか、役割と責任を決めること
- 何を成果とするかを決めること
まとめ:効果・メリット
見直す2つのこと
●目的を、「媒体別の集計」から「問い合わせから商談・受注までつなげて見る」に置き直す
●リードを商談として営業に引き継ぐ流れと、役割・責任を決める
見直したあと、お客様にとって、次のような変化が期待できます。
- 問い合わせの出どころごとに、商談や受注まで見えるはずです
- 力を入れる媒体や、手をかける先を、成果で判断しやすくなります
- 問い合わせを扱う方も、自分の仕事が商談になったかが分かります
私たちにとっても、部署をまたぐ手戻りが減ります。そのぶん、稼働後の運用支援や、AI活用の提案に、時間を使えます。
AIで、集計や一次対応は楽になります。でも、引き継ぎの基準と、役割を決めることは、残ります。
まずは、直近の問い合わせを10件選び、誰が、いつ、何を基準に営業へ渡したのかを、書き出してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
無料診断を行っています
Salesforceを導入済みの企業様が取引先、取引先責任者、商談、活動の入力作業を、AIに任せるとどれくらい時間を減らせるかを無料診断でお伝えします。
▶ 無料診断のお申し込み:noboru-consulting.com